欧州通貨のFX取引

FX入門 〜欧州通貨を取引してみよう!〜

欧州の不安材料が主役

欧州の財政問題に対する懸念が世界的な株安を推し進め投資家のリスク回避姿勢を強めると思われる。先週後半から今週初めのユーロは、スイス国立銀行(SNB)がスイスフラン売り介入を行ったEUR/CHF以外の主要通貨に対し急落している。EUR/USDは1.40台後半から1.35台前半に、EUR/JPYは109円ちょうど近辺から104円ちょうど近辺まで、EUR/GBPも0.88台半ばから0.85台半ばへ大幅に下落した。

 

欧州の材料では先週後半から、欧州中央銀行(ECB)理事会において成長率見通しを下方修正し、景気の下振れリスクが協調されて引締めバイアスを撤回していることから、利下げ観測が台頭してきた。また、9日が自主的な申込期限だったギリシャ国債交換プログラムの参加状況をクリストドウロウ・ギリシャ公的債務管理庁(PDMA)長官は「来週も具体的な数字を発表する事はない。現時点で欧州のギリシャ債保有者の半分余りが回答さえしていない」と発言し、不安定なまま9月末まで協議を続ける見通しとなった事からギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念が強まっている。また、ムーディーズがギリシャ債の保有を理由としたフランスの銀行の格下げ憶測も、ネガティブな材料として意識されている。さらにドイツのシュタルクECB専務理事が辞任を発表した。欧州危機へのECBの対応を巡り意見対立が原因と思われる。今後も欧州の財政問題を解決しなければいけない立場のECBの足並みの乱れが悪化するにつれ、ユーロ売り圧力が強まると思われる。

 

今週も16日〜17日にユーログループ財務省会合及び、EU財務相会談が開催予定、また、13日にイタリア、15日にスペインとフランス国債の入札がある。イタリア、スペイン、フランスの10年債利回りの対独スプレッドも大きく拡大していることから注意が必要である。

 

マーケットでは欧州の財政懸念が主導していることから、米国での景気後退懸念や追加緩和第3弾(QE3)期待に対する注目度が低下し、為替(FX)市場に与える影響は限定的となっている。ドルや円の動向はともに低金利で借入通貨となっているため、投資家のリスク回避の拡大もしくは縮小の度に比較的同じ方向に動きやすい。USD/JPYでは、先週末に開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議で為替政策について新規の合意事項は見受けられず、安住財務相も事前に予想された通り「投機的な動きには断固たる措置をとる」と述べるにとどまり、主要国の賛否を得られないまま、依然として協調介入の可能性は少ない。ただ日本の通貨当局はUSD/JPYが76円台から上昇して77円台で落ち着いていることから、介入や日銀の追加緩和(資産買入)はUSD/JPYの史上最安値更新と急激な株安が同時に発生する状況まで様子見となろう。

 

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